ガラケー時代にauに切り替えたのは,ガラケー初のナビゲーションアプリ「auナビウォーク」が標準搭載されていたことだった。方向音痴だった筆者が,知らない場所に行くのに実にありがたかった。
その後,クルマ用にはポータブルCDナビから1DIN埋め込みDVDナビを搭載し,どこに行くにも不安がなくなった。このDVDナビは,地図DVDを更新する必要があるのだが,2014年を最後に地図DVDの更新が止まってしまった。
このDVDナビはまだそのまま使っている。近所に新しく開通した大通りは載っていないが,それ以外はほぼ問題ないからである。その後,google mapやYahoo mapなどのスマホアプリを併用してきたが,DVDナビの地図の見やすさにはかなわない。それでも,新しい場所に行くのに,google mapは音声認識で行く先設定ができるのが素晴らしいと思っている。
ところが,google mapはどうしても「最短距離」でルート計算するようで,細い通りを選んでしまう傾向にあるらしい。筆者はそのような失敗はないのだが,目的地周辺で違う経路を指示する傾向があることは確かなようだ。
ナビが計算したルート以外に,別経路で行きたいと思っても,一般にその別経路に進んでからリルートするのを待つしかない。自分でたどった経路を履歴として残すことはできても,その履歴を基にナビをする,という機能がないのが, ナビアプリへの不満だった。経由地を複数セットしても,その経由地間は新規でルート計算するので,ブレることがある。
細かくルート設定ができるアプリとして,ルート配送などの配達系のアプリがある。しかし試用レベルでは設定個所が限定されているほか,一般にサブスクリプションが必要で,月額料金が1000円以上と結構高いのが難点で,なかなか手を出せなかった。
いろいろ探したのだが無料アプリではなかなかなく,サブスクの月額が440円と比較的利用しやすかった「フットパス」というアプリを登録してみた。
サブスクにしないと経由地の登録ができないというのが登録した理由の1つだったが,サブスクにしたおかげで複数のルートの設定も可能になった。
通常のナビのように,目的地を決めて自動的にルート設定することもできるし,自分の通りたいルートを逐一組み立てていくこともできる。
問題があるとすると,地図の地名表記が英語であることと,ルートの途中変更がちょっと複雑なことなどがある。またオフラインマップでのナビ表示がなぜか夜間モードになり,やや見にくいことなどがある。もっとも,保存したルートをkmlファイルで書き出すことができ,これをgoogle mapに読み込むことができるのは,ありがたい機能である。
一般のナビでは,行く先の登録はできるが,ルートの登録ができない。計算したルートを外れたらオートリルートがかかって,元のルートはご破算になる。「元の道に戻る」という選択肢がなく,迂回した新しいルートが提示されるが,それが正しいのかどうかの判断がつかない。
あらかじめ,地図を見ながらルートを設定して記憶しておける「フットパス」は,筆者の要望に応えてくれるように思える。google mapでもルートは保存できるが,これを使ってナビをすることはできないからである。さらに,ルートを設定しながらその周辺の情報,たとえばコンビニの次の角を右折するとか,いろいろな目標を設定することができ,ルートの記憶の補助にもなるような気がした。青色で示されるルートに沿って走行すると,自分の通った軌跡を白色で塗って重ねてくるので,一目でルートどおりに走っていることが分かるし,一度走った軌跡から新しいルートを作成する機能もある。これは便利である。
方向音痴な筆者にとっては,運転する前に事前にちょっとひと手間かかるが,なかなか使い勝手がいいアプリと言えそうである。