筆者の自宅で眠っている1機のドローンがある(電動キックボードもドローンと同様の「飛行禁止空域」を設けるアイディア - jeyseni's diary 2023/8/15)。部屋の中で試験飛行をさせたところ,天井に達する前に照明の引き紐に引っかかってしまった。その後,“お蔵入り”になっている。
ゲームも,インベーダーゲームかF1レースしかできない。左右に動かすしかできない。クルマの運転はできても,飛行機のパイロットにはなれない。
ドローンは,左右前後のほかに上下にも自由度がある。上下方向は特に,クルマでいえばアクセルとブレーキの操作になる。しかし,コントローラは,右手で前後左右,左手でローターの回転数,つまりアクセルの操作で上下方向の制御をおこなう。筆者の身体の反応ではどうにも操縦ができない。さらにこれに,カメラの撮影操作や,向きの操作なども入ってくる。やはり屋外のようにスペースがないとだめだなと思っているのである。
もし,プログラミングで動作をコントロールできるのなら,たとえばスタートして1m飛び上がってホバリングし,規定のコースを飛行し,元の場所に着陸する,という一連の動作をプログラムすれば,スタートボタン1つの操作で狙ったコースを飛ばすことができる。
そういう視点で製品を探したところ,プログラミング可能なドローンとして市販されているのは,いわゆる「教育用」というモデルしかなかった。ロボットを走行させるプログラミング講座はあちこちで開かれている。この走行ロボットの代わりにドローンを使うという形である。
ところが対象になりそうなドローンは,アメリカの1機種と中国の1機種ぐらいだった(プログラミング用ドローンおすすめ製品5選!それぞれの特徴について詳しく解説)。いずれも3万円クラスで,しかもドローン特有の機能としてのカメラ搭載モデルは中国製の機種だけだった。このモデルはScratch/Python/Swiftなどのプログラミング言語に対応している。Pythonは特に関心があるが,動かすまでは時間がかかりそうだった。
そこで上記のサイトで紹介されていた「プログラミングテトラル」というドローンが気になった。プログラム言語は使えないが,複数の動作パターンを組み合わせて自動飛行ができるという。小学校におけるいわゆるプログラミング教育で教えるような動作パターンを組み合わせる方法と思われた。
カメラの画素数が30万画素と少ないのでちょっと残念に思ったのだが,実売価格が手ごろだったので,思わずポチってしまった。

数日後に届いた製品は,手のひらに載るほどの小さいドローンで,最大飛行時間は3分(ガードあり)~4分(ガードなし)と短い。まさに超入門用という感じだった。
プログラミング飛行は,スマートフォン上のアプリでセットし,スタートボタンを押せば飛行開始から着陸まで何も操作する必要がない。飛行パターンはいろいろあり,宙返りパターンなど面白いものも入っている。ほかに普通の手動コントローラーも付属しており,上昇させたあとコントローラーのジョイスティックで操縦できる。また手動コントローラーとスマホを組み合わせると,スマホ画面上で手でなぞった飛行経路を飛ばすことができる。さらに本体のカメラの映像をスマホ上に写しながらジョイスティックで操縦する通常のドローン操縦モードも備えている。まずプログラミング飛行でドローンの挙動を体感した後に,手動コントローラーで操縦する段階にまで進むことができる。
ドローン本体とスマホをWi-Fiでリンクし,サンプルプログラムを動かしたら,すぐにパターン飛行が実現できた。垂直1m上昇,左右スイング,前後スイング,前方移動,後方移動,加工して着陸という一連の動きが目の前で自動で披露された。なんと,室内推奨モデルで,エアコンの風でも影響を受けるちょっとひ弱なモデルなのだが,逆に1つのパターンの動作範囲が1mと制限されており,障害物にぶつかる危険も少ないという工夫がされている。
まあ,充電時間が50分と長いわりに飛行時間が3~4分と短いのがちょっと不満だが,交換用のプロペラも同梱されており,最初のドローンとしてはなかなか手ごろでいいと思った。これでしばらく“訓練”したら,現在お蔵入りしているドローンも生かせるかもしれない。