jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「Go Toトラベル」で精神的貧困層の劣悪マナーが露見

「Go To」キャンペーンは,今さらながらだれが何のために仕掛けたものなのだろうか。税金を使い,人を動かすことで,観光地への人の移動を増やし,現地の需要を喚起する,ということだったようだが,とんでもない人たちが観光地に訪れたようである。

 まず,キャンペーンによって通常より安く行ける,ということを逆手に取って,通常より高級な旅館やホテルを選ぶ,という現象が起きた。セレブ御用達のホテルにセレブでない人たちが押し寄せた,ということである。セレブにとって当たり前のホテル設備や待遇は,セレブでない人たちにとっては天の上の世界。見るもの聞くものすべてが珍しい。そこで出てくるのが,昔からの日本人の悪いクセである貧乏人根性である。ホテルのシャンプーからタオルから飲料まで,目の前にあるものを片っ端から持ち去ってしまっているのだそうだ。

 つまり,自分は割引でお金を少な目にしか払わないでおきながら,現地で土産物を買うわけでもなく,逆に現地のものを盗んで帰る,という精神的貧困層の劣悪マナーが爆発したというわけである。

 受け入れ側のホテルは,せっかく来てくれたお客様に最大限のサービスを提供し,感染拡大しないような気づかいも最大限払っているにも関わらず,お金を落としてくれず,逆に盗人を働かれているのである。踏んだり蹴ったりである。

 Go Toキャンペーンの一時中止が発表されると,一斉にキャンセルが始まった。割引がなくなるから行かない,というのでは,観光地に失礼ではないか。現地のことを考えたら,キャンペーンはなくても現地に行って現地にお金を落としてあげることが,助けになるのに,それをしない。観光地も旅行業者も,結局は手数ばかりかかって得るところは少なかっただろう。

 結局これも,アベノマスクと同様,税金の無駄遣いに終わったのではないのか。お客様は増えて,仕事ができたことはよかったかもしれないが,徒労に終わったのではないのか。

 イギリスで見つかった新型コロナウイルスの変異ウイルスが,成田空港の検疫でのPCR検査とその後の遺伝子解析によって,日本に上陸したことが確認された。成田空港という「出島」と,検疫という「関所」,PCR検査という「通行手形」を通して初めて国内への感染拡大防止が維持された。

 「Go To」キャンペーンで本当に人を安全に観光地に移動させたいのなら,変な割引ではなく,PCR検査を割り引いて受診させ,陰性だったら自由に旅行に行ってもいい,ということにすれば,健全な運営が可能である。陰性という通行手形を持っていれば移動して構わない。すべての移動を止める必要はなくなる。

 「PCR検査とセットで割引」というパック旅行を提案した旅行者を称賛したが,これはすべての旅行に対して適用すべきだった。年末年始「静かな年越しを」というお願いが出ているが,通行手形を取ればむしろ移動しても構わないのではないのだろうか。

 新たな感染確認が出て,その周囲の濃厚接触者をPCR検査すれば,感染確認者が増えるのは当たり前である。まずその一人の感染者を出さないような,ホワイトエリアの確立をすべきではないだろうか。まだ今の日本ならそれができるのではないだろうか。イギリスやアメリカなど,感染爆発してしまう前に,何とか対策を講じてほしい。政治家たちも冬休みというのが本当に解せない。