jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

都市にも地方にもメリットのある本当の“新党”の出現を願う

2021/10/31の衆議員選挙は,最終的には自由民主党過半数勝利,自民-公明連立政権の安定多数確保,野党連合が結果を出せず,立憲民主党の敗退,日本維新の会の躍進という結果になった。二択選挙で与党を追い落とした選挙区もいくつかあったが,多くの選挙区で与党が勝ち,与党過半数超えにさらに上乗せとなった。厳しい選挙だったろう。

 日本の選挙に2択はありえない--もし野党連合が破れたら全員政治家を辞めてほしい - jeyseni's diary 2021/10/25 と書いた。やはり選挙民は迷ってしまったのではないだろうか。しかし,現時点で当たり前のようになっている自民-公明連立政権が1999/10/5にスタートしたときも,筆者は迷った。公明党の支援組織である創価学会という組織の存在が,政治と宗教の分離の原則と食い違うのではないか,と思っているからである。

 おそらく,現在でも与党の支援にこの組織票は大きな役割を担っていることは間違いないだろう。特定の宗教や組織に何らかのメリットのある政策が採用されないとも限らない。そういう意味で,派閥を持つ自民党が内部でも議論できる環境にあることは,政権与党としては望ましいのかもしれない。今回も,自民党過半数超えで,単独与党を運営できる体制にはなったが,連立を解消しないのは逆に取り込もうという意図もあるのかもしれない。もともとは野党である。

 立憲民主党はもともとは日本社会党だと認識している。1993/8/9に日本社会党公明党民社党社会民主連合日本新党新生党新党さきがけの新党連合による政権が樹立され,与野党交代が起きた。今考えるとすごい新党連合である。自民党の派閥とは異なるバラバラな動きになることは予測された。なかなか舵取りが難しかったことだろう。

 全国区を基調としたこれまでの政党の中で,大阪を拠点としてきた日本維新の会が今回議席3倍増で大躍進し,公明党を抜いて野党第2党に浮上した。大阪府の選挙では維新の会候補が圧倒的に強かった。吉村洋文大阪府知事によるCOVID-19対策が,特別措置の早目の解除などで裏目に出たこともあったが,おおむね成功したことも大きいだろう。相変わらず過激な発言を繰り返す橋本徹元党首・元府知事ほどのカリスマ性はないものの,若手リーダーとしての実績が評価されたのではないか。

 筆者的には,「大阪都構想」を無理やり推進した同党に対する不信感は残る。しかし、農業や漁業など、地方の行政のための票わ集める自民党に対して、サラリーマンや商業を支える都会の行政を目指す維新の党は、大阪だけでなく東京や名古屋、札幌、福岡などの都会を中心とした支持を集められることが、今回はっきりした。日本の再生が地方なのか都会なのかの指針をきちんと出せば、主張のはっきりした政党になりうると思われる。

 東京の都民ファーストの会は「東京」を意識しすぎる。COVID-19の飲食店政策では、言葉倒れに終わって、支持を失ったのではないか。

  経営者にも労働者にもメリットのある政策こそ、都会派政党の生きる道だと考える。例えば、「都市集中税」とその緩和のための「テレワーク奨励金」などはどうだろうか。都会に本社機能があることでビジネスの機会が増えるが、都市集中によるデメリットは起きる。これをテレワーク導入により地方分散させれば、都市にも地方にもメリットが大きい。自民党がオオボラを吹いた地方創生とはまったく異なるWin-Winの施策が実現すると思われる。地方も、観光だけに頼らない新しい市場を得ることができる。「都市・地方両立党」かなぁ。テレワーク、そしてそれを支えるIT 技術がカギを握る。社名をFacebook からMetaに変更したザッカーバーグ氏がまた、世の中を変えていくのかもしれない。