jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

NHK「ガッテン」が終了--情報バラエティーのニーズに変化か

NHKの情報バラエティー番組「ガッテン」が2022/2/2に最終回を迎えた。初回が1995年というから27年間も続いた番組で,最終回は1098回目になるという。

 同じように楽しんだ情報バラエティー番組が,ふじテレビの「発掘!あるある大事典」だった。こちらは1996年~2004年,「II」が2004年~2007年。情報の捏造問題で終了したが,番組をベースに発刊された書籍もなかなかおもしろかった。ガッテンは書籍化するのだろうか。

 いずれも,身近なテーマに意外な答えが用意されていて,感心させられることが多かった。もっとも,健康ネタ,食事ネタが多かったせいか,視聴年齢層が高くなったのが番組編成の刷新に当たって問題になったという噂がある。ネタ切れという噂もある。

 「ガッテン」の特徴は,プレゼンテーションに使う巨大なオブジェ。この制作には司会の立川志の輔も立ち会っていろいろ注文を加え,より分かりやすくしようとしたというエピソードが以前紹介されていた。難しいテーマでも分かりやすく楽しく,という姿勢は評価される。

 科学的な検証については,問題も多かった。調査のサンプル数が少ない。極端な場合は,1人のアシスタントが体験した結果だけから効果の検証をしたりしていた。これには批判も多かった。それでも,何となく納得のいく結論を導き出していたのは立派である。

 筆者が一番楽しんだのが,「ガッテン流調理法」だった。時間や温度などの条件を徹底的に分析し,「間違いなく誰でも再現できる」ソリューションを提案していた。単に専門家の言うなりに番組を作るのではなく,そこに一工夫加えるという姿勢が,良かったと思う。

 体当たり実験では,日本テレビTOKIOの「ザ!鉄腕!DASH!!」が筆者のお気に入りである。こちらも1995年に始まっている。ジャニーズの歌手グループであるTOKIO無人島(衣食住,ロジスティクス),ダッシュ村(農業,家造り),多摩川・新宿(農業,環境保全),0円食堂・グリル厄介(SDGs)などに体当たりで取り組む。本業の歌手活動に影響が出ないか心配なほど,時間と労力と移動をかけている。

 志村けんが中心となっていた日本テレビの「天才!志村どうぶつ園」も,志村けん本人だけでなく,嵐の相葉雅紀山瀬まみ,DAIGO,森泉らも,とにかく一生懸命に動物と向き合う姿が印象的だった。

 旅番組系も,行った先のハプニングな出会いが面白い。「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」(テレビ東京),「バスサンド 秘境路線バスに乗って飲食店を見つける旅」(テレビ朝日),「タカトシ&温水が行く小さな旅シリーズ」(フジテレビ)などを楽しんでいる。

 いずれも,出演者が体当たりで答えを出そうとしているところがすごいところである。出演者が楽しみながら,進めているところも支持できる。

 同じ体当たりでも,芸人の無人島企画やドッキリカメラなどは,出演者の意志に関係なく,企画側が出演者を追い込んでいる様子が見られ,いわばそのパワハラに対する芸人のリアクションを面白さとして表現して読者を笑わせる,という魂胆が見え見えで,出演者は大変だと思うのだが賛同できなかった。特に,落とし穴や壁・天井まで壊しての脅かしなど,出演者の犠牲をネタに笑おうというのは,視聴率稼ぎの浅ましい企画だと思っている。局アナウンサーまでが参加するようになっては,もう報道の使命を放棄したとしか思えない。実際,局アナからフリー,さらにタレントへと転身する人物も続出している。

 何事も,体当たりで実験する,という姿勢を見せるのが大事だと思うのである。「嵐にしやがれ」も面白い。半面,まったく不要と思うのが,昨今のクイズ番組である。特に東大王などに至っては,読者そっちのけで東大生タレントと芸能人タレントが競うという何の発展性もない構成である。

 東京大学は日本の最高学府という使命をもう終えたと思える。日本の受験で最難関と言われる東大理3も,日本の最高の医者になりたい,という人が受験するのではな,高校生の腕試しのために受験するだけのコースになっている。事実,理3の学生では医者にはなっていない人も多い。

 筆者の提案は,東京大学を「ハーバード大学並みの国際大学に変える」ことである。まず4年間,新入学生を取らないで全員を卒業させたあと,入試ではなく,高校までの学業の進め方を評価し,面接で採用する,というハーバード方式で学生を集める。そして,卒業するためにはテストの合格が必須となる仕組みを作るのである。

 今や,医者や弁護士は成りたい仕事の上位ではない。苦労して勉強しても,収入がかつてほど多いわけではない。逆に苦労も多く,精神的な負担も大きい。割に合わない仕事になっている。入試という難関を乗り越えてきた学生が,そのコースから外れるなど,あってはならないことである。