jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

プラなのにガラスの輝き--トライタンというWikipediaにも載っていないプラスチックを紹介【追記】

トライタンの5つの特徴とその優れた点とは?!|プラスチック新素材| | 新商品情報 |木村容器株式会社。新商品情報といっても,掲載されたのは2020年と,もう5年も前の話なのだが,なんとあのWikipediaにも載っていないプラスチックである。

 非常に透明度が高く,ガラスのような輝きを持つプラスチックで,当然のごとく軽くて割れにくい。しかも耐熱温度が100℃あり,電子レンジでの使用や食洗器での洗浄も可能。環境ホルモンを含まないので食品用に最適とされている。

 トライタン(Tritan) は,イーストマンケミカル社が開発した「コポリエステル樹脂」だという。従来のポリエステルから派生したコポリエステルで,主に医療用具に使われてきたが,ワイングラスやタンブラーなど,ガラスに代わる食器にも使われるようになってきた。プラスチック製と聞くと安っぽいイメージがするのだが,どうもそうではないらしい。現在,試しに1個を取り寄せ中である。

 たとえば,病院に入院する際,瀬戸物のマグカップは禁止されていることが多い。落として割れてしまうのを避けるためだろう。こういうときにこのトライタンのコップ,あるいはさらにガラスと混合した瀬戸物風のマグカップなども開発されている。落としても割れないし,瀬戸物風の輝きなのだという。

 ガラス代替ということで,ワイングラスやタンブラーなどが開発・販売されているが,残念ながらそれほど普及はしていないと思われる。やはりガラスにはそのヒンヤリとした感触や,モノに当たったときの音,そして落としたら割れるという繊細さが飲み物のおいしさにつながるからだろう。飲食店で出されたら,ちょっと引いてしまうかもしれない。

 透明なプラスチックグラスといえば,信越ポリマーが開発した高透明シリコーングラス・コップ『shupua』という製品が販売されていた。こちらはシリコーンなので,グニャグニャとした樹脂である。しかし,shop-shupua(シュプア)閉店セールのお知らせ | お知らせ | 信越ポリマー株式会社 (2023/8/4)とショップが閉店となり,ここからのリンクもつながらないようになっていた。

 電子レンジで使える耐熱容器としては,耐熱ガラスが約450℃以上と圧倒的に耐熱温度が高い。しかし厚手で重たいことと,やはり割れることがある。一方プラスチックでは,半透明だがポリプロピレン製の耐熱容器は140℃まで耐えられる。電子レンジである程度長時間加熱しても耐えられる。これに対してトライタンは耐熱温度が約100℃で,飲み物の温めぐらいは可能だが,長時間の使用には向いていない。この辺りは使い方次第だと思われる。割れない,中身がきれいに見える,といった特徴を生かせる用途が広がるといいのだが,意外に限られているのが残念である。

【追記】筆者はワインを飲まないので、可能性としてはコーヒーカップかロックグラスか、ということで、ロックグラスを注文してみた。連休のためか予定日より遅れて到着した。早速、焼酎のオンザロックを楽しんでみた。

 飲み物がグラスに入ると、冷たいものだとグラスも冷たく、温かいものだと温かくなった。飲み口も薄く仕上げられており、口に近づけた際もそれほど違和感は感じなかった。普通のプラスチックのようにペコペコと曲がることもなく、家庭用としては問題のない製品に仕上がっていると感じた。当面愛用していこうと思っている。

 ただし、やはりモノが当たったとき、あるいは指で弾いたときに、あのガラス特有の高い音が出ないのと、光の加減でガラス的な透明感よりも、やや青みがかった光沢感を見せることが確認できた。家では蛍光灯やLEDを使っているため、その光源の波長のせいかもしれない。太陽光の下でもその青みは見えた。逆に、パーティーや飲み屋などの電球色の下だと違和感が減るのかもしれない。

 高度成長期に生きた筆者としては、その時期に生まれた「プラスチック」の素晴らしい面は生かしたいと思っており、21世紀の「プラスチック全面反対」的な風潮には必ずしも賛成できていない。モノづくりで生じたさまざまな残骸や化学物質が、無造作に廃棄されたり、下水に流されてきた歴史は反省し、正しい処理法・無害化などの開発によって引き続き生産ができるようになっている。PL(製造物責任)である。それを率先して開発してきたのが日本の製造業である。安易に「水に流す」ことに対する反省である。日本以外のモノづくり国に果たして環境を守るという意識が本当にあるのかどうか疑わしい。それだけに、日本は徹底的なライフサイクルマネージメント(LSA)をしてほしいと思っている。これは二酸化炭素の排出回収技術でも同様である。

 表向きは再生可能エネルギーを推進しているが、そのエネルギーを生み出す例えば太陽電池パネルや風力発電のブレードなどを生産するために石油や石炭などの化石燃料を膨大に利用していることや、排出権取引といった机上の数字マジックで辻褄合わせをしている経済など、基本的にはニセモノだと思うのである。

 プラスチック製品も、きちんと回収してきちんと焼却し、そこから二酸化炭素をきちんと回収する、焼却の際のエネルギーを使って発電する、焼却灰は適切に埋める、という一連の流れをもう一度きちんと構築し、廃棄以降のプロセスにもきちんと仕事として成り立つ経済の仕組みが必要である。何度も書くが、宇宙にばかり目を向けている段階ではないと思うのである。

 ちなみにトライタンについては、医療用器具以外は個人的な感想から言えば、透明でなくてもいい「割れない」食器類として、病院や介護施設、幼稚園・保育園などでの普及に特化するしかないように思う。かつて、環境ホルモンで問題になったメラニン樹脂食器などの代替として、「安全なプラスチック食器」としてさらなる活用を目指すのがいいと思う。ガラスは確かに割れやすく、割れるとその適切な処理に問題がある。飲料のビン以外のガラス製品は、最終的にリサイクルされることはまずなく、単純に燃えないゴミとして埋め立てられてしまうだけである。ならば「割れない」ことが受け入れられる用途に注力すべきだろうな、というのが正直な感想である。ただし、家庭用としても強化ガラスなど割れにくいガラスも使われており、付加価値を見つけるのはなかなか難しいかもしれない。