jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ノースマイアミビーチの思い出-ビル崩落記事に文化の差【追記6/29(死者11人),6/30(同12人),7/1(同18人),7/2(同22人),7/6(同28人),7/9(同78人),7/10(同79人),7/24(同97人),7/27(最終98人)】

フロリダ集合住宅崩落 フロリダ集合住宅崩落、99人の安否不明 (msn.com) 2021/6/25 というニュースが飛び込んできた。

 日本のメディアは2つ勘違いしている。①「集合住宅」ではなく「コンドミニアム」,②マイアミビーチは全長20kmもあり,サーフサイドビーチといわゆるマイアミビーチはほぼ別物

 「集合住宅」というと,アパートとかマンションのイメージだが,コンドミニアムは,自炊のできるホテルのようなもので,短期間の利用から,避暑・避寒のために契約したりするものである。写真にもあるように,マイアミビーチのコンドミニアムには,共用のプールもだいたい標準で付いている。

 おそらく,今回のコンドミニアムの崩壊事故で,被害を受けた方は少ないのではないかと思う【←ここは筆者の認識違い】。というのも,マイアミビーチは主に避寒のためのリゾート地であり,冬場の方が人が集まるからである。アメリカの冬は,ニューヨークやワシントンを含めて北部は厳しい寒さである。ニューヨークの緯度が札幌と同じなので,だいたい見当がつくと思う。北部の人々は冬の寒さを逃れてフロリダに避寒に来るために別荘を持ったりする。コンドミニアムは,短期間家族で借りて,冬場を楽しむための宿泊施設である。映画の「ホーム・アローン」が,まさにこのアメリカ文化を表現している。連絡が付かないといっても,おそらくこの時期は北部の自宅にいるのだと思う。

 もう一つは,「マイアミビーチ」という言葉のニュアンスが,巨大バカンス地のように伝えているという間違いである。地図で見るのと,実際は大違いなのである。

 

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マイアミとマイアミビーチ

  マイアミビーチは,大陸に沿って細長い島のようになっている。マイアミの中心街は,大陸側である。お金持ちの別荘や,大型ホテルがあるのが「マイアミビーチMiami Beach」と書かれた辺りで,ただの「マイアミビーチ」と書かれた辺りはノースマイアミビーチと呼ばれる地域である。今回の崩落事故はさらに北のサーフサイド・ビーチのコンドミニアムで起きている。全長約20kmあり,日本でいうと千葉の九十九里浜ぐらいの範囲に渡っている感じである。

 いわゆるマイアミビーチからサーフサイド・ビーチまではおそらくクルマで1時間以上かかる。筆者が35年も前のアメリカ留学時に避寒ででかけたマイアミで借りたコンドミニアムは,ノースマイアミビーチにあったが,マイアミビーチからバスで50分かかった。

 マイアミビーチは,いわゆる富裕層のぜいたくの地域である。大きなヨットハーバーがあり,たくさんの高そうなヨットが係留されている。ホテルも巨大で,庶民が近づくのも躊躇するような佇まいで,とても泊まれるような雰囲気ではなかった。海岸もほぼプライベートビーチ化していて,庶民が遊べるのはほんの一角だけ。そこには明らかに貧困層の人たちもいた。

 筆者が予約したコンドミニアムへの移動に際して,途中にある地図上の空白地域は,ほぼ貧困層の住む地域だった。筆者が乗ったのは一般の乗り合いバスだったが,この地域はほぼ30分以上,ノンストップで駆け抜けた。壊れかけた家が並び,当時でもアメリカの経済格差を知らされた瞬間だった。

 一方,ノースマイアミビーチは,実に落ち着いた街だった。避寒のための別荘地なのだが,主にコンドミニアムが海岸線に沿って立ち並んでいた。スーパーマーケットまで歩いて10分ぐらい。夜でも治安はよく,安心して生活ができた。コンドミニアムの窓の外は大西洋が広がる。スーパーで買った大きなステーキ肉を焼き,ビールを飲みながら過ごした1週間が懐かしい(実際は,海もプールの水も少し冷たかった)。

 その先のサーフサイドビーチは,残念ながら行っていないのだが,写真を見る限り,レイアウト的にはノースマイアミビーチと同じような雰囲気のコンドミニアム街のように見える。建物が崩落したのはさまざまな理由があるだろうが,被害者が少ないことを祈りたい。

 言葉を翻訳するのは難しい。相手の国や民族の文化的背景を知るには,やはり現地に赴いて,身体で空気を読むしかないだろう。早くリアルな世界が取り戻される日が戻ってくることを願いたい。

【追記】6/28現在,死者が9人,未連絡150人と報じられている。コンドミニアムだが,定住されている方もかなりおられるようで,この点は筆者の認識の誤りである。後日,最終結果も掲載しなければならないが,被害に遭われた方が無事で救出されることを引き続き祈りたい。

【追記6/29】6/29現在,アメリカのメディアでは,死者数が11人になったと報じている。日本のメディアは,まだ何も報じていない。

【追記6/30】6/30現在,アメリカのメディアでは,死者数が12人になったと報じている(ケガ人は11人)。日本のメディアは,まだ何も報じていない。崩壊から6日。未確認数は149人とされている。上記したように,事故当時,部屋に不在であったと信じたい。

【追記7/1】7/1現在,日本のメディアで死者数が16人になったと報じられた。未確認数は147人。さらに共同通信が,死者数が18人になったと報じた。12人の報道以降の6人の死者の中に,4歳と10歳の子供がいたという。亡くなられた方のご冥福を改めてお祈りしたい。また不明が145人と言われているが,無事ないし不在だったことを祈りたい。

【追記7/2】7/2現在,現地の共同会見で,死者数が22人,未確認数が126人とされた。

【追記7/6】7/6現在、死者数が28人と現地で報道された。国内は伊豆山の土砂崩れの報道で手一杯のようである。

【追記7/9】7/9時点で最終死者数が78人と確定された。しかしまだ62人と連絡が取れていないという。ケガをした人は11人とされた。生存を前提とした捜索は打ち切られたという。当初の99人不明という報道のうちの多くが亡くなったことになる。住居として使われていた部屋も多くあったという点は,筆者の認識の浅さで,訂正したい。これ以上の被害が拡大しないことを祈り,亡くなった方のご冥福を祈りたい。

【追記7/10】現地メディアが死者数79人安否不明61人と発表した。

【追記7/24】最終確定として,死者は97人、安否不明者は1人と発表された。ご冥福をお祈りいたします。

【追記7/27】最終の遺体の身元が確認され,死者数が98人と確定された。米フロリダ州マンション崩落、最後の犠牲者を発見・特定 (msn.com)